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66 鳥の声

مؤلف: 文月 澪
last update تاريخ النشر: 2026-05-18 16:38:28

 そしてまた軍議が繰り返される。

 今日は前回同様、梟に関することが中心だ。

 正体の掴めない相手にどうやって対処していくか、それは酷く難しく、部屋は重い空気に満ちていた。

 そこに、ひとりの騎士が慌ただしく駆け込んでくる。

「も、申し上げます! 第2王女、リリエッタ様がお話しがあると仰せで……お通ししてもよろしいでしょうか?」

 それに応えるのは騎士団長だ。視線でお義父様に確認を取ると、騎士に頷き入室を許可する。

 リリエッタ様は、姉であるフェティア様に手を引かれて、不安気に部屋へと足を踏み入れた。お義父様を見つけると、駆け寄って膝に抱きつく。フェティア様もその後を静かに追い、お義母様の横に並ぶ。

「リリエッタ、どうしたんだい? 君がここに来るなんて珍しいね」

 お義父様は優しく声をかけると、膝の上に乗せ、アルによく似た金髪を撫でる。ゆるく波打つその髪は、まだ8歳だというのに艶やかで、腰まで伸びていた。

「あのね、お父様……鳥さんが教えてくれたの。怖いのが来たって。夜に紛れて何人か街の中に入ったらしいわ。だから、わたし……お父様にお伝えしようと思って来たの」

 陛下の胸にしがみつき
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  • 年下王子の重すぎる溺愛   66 鳥の声

     そしてまた軍議が繰り返される。 今日は前回同様、梟に関することが中心だ。 正体の掴めない相手にどうやって対処していくか、それは酷く難しく、部屋は重い空気に満ちていた。 そこに、ひとりの騎士が慌ただしく駆け込んでくる。「も、申し上げます! 第2王女、リリエッタ様がお話しがあると仰せで……お通ししてもよろしいでしょうか?」 それに応えるのは騎士団長だ。視線でお義父様に確認を取ると、騎士に頷き入室を許可する。 リリエッタ様は、姉であるフェティア様に手を引かれて、不安気に部屋へと足を踏み入れた。お義父様を見つけると、駆け寄って膝に抱きつく。フェティア様もその後を静かに追い、お義母様の横に並ぶ。「リリエッタ、どうしたんだい? 君がここに来るなんて珍しいね」 お義父様は優しく声をかけると、膝の上に乗せ、アルによく似た金髪を撫でる。ゆるく波打つその髪は、まだ8歳だというのに艶やかで、腰まで伸びていた。「あのね、お父様……鳥さんが教えてくれたの。怖いのが来たって。夜に紛れて何人か街の中に入ったらしいわ。だから、わたし……お父様にお伝えしようと思って来たの」 陛下の胸にしがみつき、眉を垂れて遠慮がちに言うリリエッタ様。しかしその言葉に、その場にいた全員が凝りついた。「鳥が……教えてくれた……? まさか、開花したのか?」 お義父様がそう問いかけると、リリエッタ様は恥ずかしそうに頷く。そして視線を動かした先には、まだ年若い騎士が佇んでいた。 義両親やアル、そして私。 一同の視線が集まり、その騎士は委縮したように固まった。「……あれが……そう、なのか……?」 嬉しいような、悔しいような、お義父様の絞り出すような声。それにお義母様が苦笑いを浮かべる。「まだ公的な場よ、その顔は引っ込めて」 その言葉にフェティア様も笑い声をあげた。「お父様ったら、親馬鹿ですわね。でも……リリエッタに先を越されたのは少し悔しいです、お母様」 拗ねたように寄り添うフェティア様を、お義母様は優しく慰める。「大丈夫よ、貴女にも間違いなく運命は繋がっているわ。それよりも……」 お義母様の固い声に、お義父様も咳払いをして頷く。「街に梟が解き放たれた。後手に回ってしまったな……騎士団長、すぐに調査を始めてくれ」 そして息を吐き、国王としての顔を愛娘に向ける。「リリエッタ、

  • 年下王子の重すぎる溺愛   65 木漏れ日

     軍議が終わり、諸侯達がそれぞれの持ち場へと散っていく。 アルは私の手を取って優しくエスコートしてくれた。「リリー、体調は大丈夫? 少し外の空気を吸っていこうか」 私はその言葉に頷いて、一緒に歩き出す。 王宮から離宮までは散歩に丁度いい距離で、重苦しい軍議からの息抜きには最適だった。 途中の中庭で足を止め、東屋で一休みする。 お腹の膨らみは日に日に大きくなって、歩くのも大変だ。最近ではお腹を蹴ることもあって、元気に育ってくれているのが嬉しい。 アルもお腹を撫でながら語りかけてくれる。「今日も元気だね。会えるのはまだ先か……その頃には、この騒動も収まってるといいね」 そう言って微笑むアルに、私は頷く。「はい。この子や、これから生まれてくる命が脅かされることの無いよう、頑張らなければ」 この戦は、何もヴィスハイムやアックティカ、トスカリャだけの問題ではない。アックティカが鎖国したことで市場は崩れ、その影響は世界各国に及んでいる。 野菜の品不足による高騰、そして栄養の偏りから引き起こされる病も深刻化して来ていた。 農業とは、一朝一夕で補えるものではない。土づくりから、種植え、田畑の管理、収穫まで多くの手順が必要なのだから。 他にも農業国家はいくつかあるものの、市場に出回るには時間がかかってしまう。商隊の数にも限りがあり、商家も対応に追われている。 そしてこういう時には悪漢がのさばるのが世の常だ。 商品を買い占め、法外な値段で売りつける者が既に現れ始めていた。これも鎖国の悪影響のひとつだろう。 思わずため息が零れると、アルが私の頬を抓った。「い、いひゃい」 抗議の声を上げる私に、アルはぷっと吹き出す。「リリー? しかめっ面になってるよ? それも可愛いけど、笑ってほしいな」 ぷにぷにと頬をつつきながら、アルは首を傾げる。「あれ……少しふくよかになった? 触り心地最高なんだけど……」 両手で頬を包み込み、感触を楽しむアルに私は赤く染まった。「ア、アル……恥ずかしいですから……! 妊娠とはそういう物なのです。出産に備え、栄養を蓄えているのですよ」 最初は私も少し驚いた。太ってしまったかと思い、御典医に相談したらそう教えてくれたのだ。「ほら、アルの好きなトラウトも産卵前は脂がのって美味しいで

  • 年下王子の重すぎる溺愛   64 布陣

    視線が集まる中、私は口を開く。「アックティカは農業国家です。領土には田園が広がり、梟が生息できるほどの森はありません。あるとすれば、それは……」 陛下がその後を継いだ。「テューフグリューン……か……」 私は静かに頷く。「はい。その言葉を告げたのも、アックティカやトスカリャとは違う装束の者でした。現地へ赴いた兵士とは会話ができませんから、それ以上は分かりませんでしたが、狡猾な梟が動くことは間違いないかと」 私の言葉に、諸侯がざわめく。その中をアルは静かに私に寄り添い、肩を抱いて陛下を見据えた。「その件に関しましては、私も兵士と面談し、過去視にて確認いたしました。必要であれば召喚も可能です」 その言葉が後押しとなって、一同は納得したように頷き合う。 アルは私を見つめてふわりと微笑んだ。 やはり、アルがかつて語った番は、お互いを補い合う存在と言えるのだろう。私の遠見を、アルが過去視で確認することで、こうして諸侯を納得させられる。 これが私ひとりでは、そうもいかない。 そもそも、アルと出会わなければ発現しなかった力だ。それはアルも同じ。 精霊王の契約によって穿たれた楔は、私達の絆となっている。 陛下と王妃様もそうなんだろう。 こうして王妃様が軍議に参加すること自体、他国では珍しい。戦は男の仕事というのがごく一般的で、それは戦う力があること、そして子を産む女を守るため、ある種の本能とも呼べるものだ。 だけど私達は手を取り合うことで、更に善き方向へと進める。 地域によっては女性の地位が著しく低く、陽の下を歩くことさえ難しい国が実在する。それが悪だとは言わない。それに至る歴史があり、価値観があるからだ。 精霊王がヴィスハイムと契約した経緯も、その内のひとつでしかない。 そして、アックティカやトスカリャも。 今、まさに歴史が動いている。 悪しき君主が誕生したのも、何か意味があるのかもしれない。 アルの優しい眼差しに応えながら、私は想いを馳せる。 果たして私達は勝つことができるのか。 民を、愛する人達を守ることができるのか。 テューフグリューンを制することが、その結果に直結する。 陛下は静かに顔を上げると、凛とした声で判断を下す。「ホルター、テューフグリューンに罠を施せ。見破られても構わ

  • 年下王子の重すぎる溺愛   63 梟

    「しかしながら」 ホルター様の硬い声が部屋に響く。「傭兵の動きを封じることができなければ、王都に被害が及ぶのは必定。如何に対応するかが問われます」 一同の視線が集中する中で、王妃様が口を開く。「現時点で、私には王都が燃える未来は視えません……ですが、黒い影が視えるのもまた事実。陛下、いかがいたしますか?」 そこには、いつもの穏やかなやり取りは存在しなかった。軍議の場で、公私を混同していては臣下に示しがつかないからだ。それは私も見習うべき点であり、次代の王妃として、その凛とした姿を目に焼き付けた。  陛下は思案すると、ホルター様に視線を向ける。「敵軍が到着する前に、罠を仕掛けることは可能か? 奴らは鼻が利くから効果は無いだろうが、進路を誘導し、森を抜けた先で討つ」 陛下の言葉に、ホルター様も頷いた。「それがよろしいかと。アックティカの民兵は、鎖国によって既に疲弊しております。トスカリャも、山間トンネルの強行により頭数は減っていると見てよいでしょう」 そして、ひとつの大きい黒い駒を動かす。それは森を真っすぐ抜け、ルストニカ平原へと至った。「一番憂慮すべきは傭兵団の頭目、狡猾な梟。その名が表す通り、狡猾で残忍な人物です」 低く唸るようなホルター様の声に、部屋に重い空気が広がる。「本名不明、性別も年齢も不明の不気味な存在です。かつてアックティカの行った川への毒物投与、それも奴の指示だと噂されております。たかが噂、されど無視するにはあまりに危険です」 みなの視線が陛下に集中する。アルも、陛下の隣で思案していた。

  • 年下王子の重すぎる溺愛   62 伝統という名の腐敗

     ルストニカ平原は、国境の森から約二日の距離にある。 このままアックティカとトスカリャが進軍を続ければ、一週間後には森に辿り着くだろう。そこで叩かない理由は、ゲリラ戦を得意とする傭兵がいるためだった。 ルストニカ平原で布陣を築けば、我が軍は迎え撃つ体制を整え、王都を戦火から守ることもできる。しかし、それは相手も重々承知しているはずだ。 そうなれば、やはりこの戦の肝は国境の森、テューフグリューンが握っている。 平原を横断するこの森は、越えるだけなら半日程度の深さしかない。けれど、東西に長く伸び、その樹影に潜み後方に回られてしまう危険性も持ち合わせている。補給路が立たれれば、勝てる戦も勝てなくなるのは必定だ。 今開かれている軍議も、まさにその件についてのもの。 私は身重のため着席を許され、椅子に座ってその様子を見つめる。 主だった貴族が陛下を中心に円卓を囲み、ざっくりと描かれた地図に注視していた。陛下から見て下方にカイザークの国旗、中央にテューフグリューンを示す緑の線、その上にアックティカとトスカリャの国旗が描かれている。カイザークには青、アックティカには赤と黒の駒が複数配置され、白い髭を蓄えた元帥、ホルター様が場を仕切って声を上げた。「十中八九、敵は傭兵を重用するでしょう。陽動、攪乱、そして補給路の断絶を狙って行動すると予想します」 ホルター様は黒い駒を、緑の線の上へ移動させ、その淵に沿ってカイザーク軍を表す青い駒の後ろに回す。ここまでは、私でも分かる流れだ。問題はその後。ホルター様はアックティカ、トスカリャの連合軍へと視線を向ける。「アックティカの戦力は、その殆どが民兵です。兵士も、繁忙期には農民として畑に出ます。その錬度は極めて低いでしょう」 そう言って、一部の赤い駒を後ろに下げる。「そのため、主戦力はトスカリャと見て間違いありません。大将首は首領、ダッツェ・バズ。十年連続で首領を務めている猛者です。しかし、戦となればこちらに利があります。一対一と多対多の違いを思い知るでしょう」 トスカリャの首

  • 年下王子の重すぎる溺愛   61 烏合の衆

    トスカリャに動きあり。 その報がもたらされたのは、陽射しが厳しさを増す夏至の事。奇しくも一年前の開戦と同じ時期だった。懸念していた山間トンネルがついに完成し、脅威がまたひとつ増えた事になる。まだ先と思われていたトンネルの開通は、クムト様が私達の元に来てから僅か数十日で強行され、多くの人命を飲み込んだ。 山を削るのは相当な労力を必要とし、自然の驚異を嫌が応にも思い知らされる。鉱山でさえ多くの犠牲が出るというのに、国を隔てる山脈を貫こうというのだからその数も膨大になるだろう。どれだけ補強に力を入れても不意に崩落が起こり、進めば進むほどに酸素は薄れ、有毒なガスが噴出する。 それは人間如きが適う相手ではなく、長い歴史の中でも成し遂げた者はいない。それをアックティカとトスカリャという小国がやり遂げたのだから、瞬く間に噂は広まり世界が震撼した。 鎖国で情報規制をしていたアックティカだけれど、トンネル開通だけは大々的に報じている。そして同時に、世界へ向けて宣戦布告を突きつけた。 いくら偉業を成し遂げたとはいえ、二国合わせても人口は三十万にも満たない。しかもその人口は、国全体を合算してなのだから戦に動員できるのは更に少なくなる。その中には戦えない女性や子供も含まれ、純粋な戦力はざっと見積もっても三万。ほとんどが民兵、そこに傭兵が加わるはずだ。 前回の戦では傭兵が一万強を占めていた。今回は新たにトスカリャの兵も加わる。前回よりも、訓練を受けた兵が増えると予想されていた。 私はと言えば、懐妊が確実なものとなり、徐々にお腹が大きくなってきている。アルは素より義両親である両陛下や両親、妹方、皆が喜んでくれていた。婚姻までのあと二年間が待ち遠しいと、既に準備は進められている。 一口に二年と言っても、王室の婚姻式となればそう気の早い話ではない。ドレスや装飾品は一流のものが使われるから、布地の選定、お針子や商人の人選など時間と手間がかかるのだ。 今、私に宿る命を迎える準備も同じ。肌着やおむつは厳選された素材が使われ、乳母はアルもお世話になった旧知の子爵婦人が選ばれた。この方はアルの遠縁で、先王の姪だそう

  • 年下王子の重すぎる溺愛   52-2 頼もしき存在

    「フェリット家は子爵から伯爵に引き上げられた一族だよね。もちろん実力で得た地位だけど、その戦功が著しい。褒賞だけで済むのに、爵位まで上げたんだから。そして次代達も評判が良くて、騎士団の中で重用されている。そんな生え抜きのフェリット家を、オードネンが放っておく訳ないでしょ」 確かに、子爵家は貴族の遠縁などが叙せられる爵位だ。我がフェリット家は父方の本家、イタル侯爵家の末端であり、男爵よりは上位であるけれど微妙な立ち位置だった。それが一気に爵位を上げたのだから、古参には面白くないだろう。宰相はその筆頭で、陞爵を受けた曾祖父の代から目を

    last updateآخر تحديث : 2026-04-02
  • 年下王子の重すぎる溺愛   53 暗君の掌中

    「それで、用はそれだけ?」 気持ちを切り替えるように顔を上げて、アルはクムト様に問いかける。わざわざ私に夜伽の事を教えるためだけに、賢者がこの離宮に足を運ぶのは少し不自然に思えた。私も視線を向けると、クムト様は朗らかに笑う。「まっさか~。一応賢者だよボク。本題はこれから」 そう言うと、すっと目を細め指を口元に添える。「アックティカの事は聞いてるね? ︎︎鎖国して輸出入を止めてからもう二月近い。そろそろ春節だけど、あの国はほとんどの作物を輸出に回していたからね。行き場のない食物は飽食過多で、逆に備

    last updateآخر تحديث : 2026-04-02
  • 年下王子の重すぎる溺愛   45-1 未来

    「リージュ様、そう落ち込まないでください。私達メイドは慣れておりますから。最中であっても、空気のように仕事をするだけです。お気になさらず」 私の静止を待たずに部屋へ入ってきたネフィとメイドは、淡々と食事の用意をしている。恥ずかしくて隠れたのも、なんだか馬鹿らしくなってしまった。 そうは言っても、薄衣一枚で人前に出るのも憚れて、一度自室に戻り、着替えを済ませる。体も拭きたくてネフィにお湯を頼むと、既に用意されていた事に驚く。こういう所が流石だ。ゆったりとしたドレスに袖を通し、寝室に向かうと、アルも着替えを済ませて待っていてくれた。

    last updateآخر تحديث : 2026-03-31
  • 年下王子の重すぎる溺愛   44-1 あるべき姿

     アルは枕を抱いて、私の言葉に耳を傾ける。「皆様も、良くしてくださいました。まだ婚約者である私は、夫たる貴方の戦功によって、今後の身の振り方も考えねばなりません。考えたくもありませんが、討ち死にの可能性もあるのですから……」 それは離れていた間、何度も見た悪夢。傍に行こうとしても、進まない足。声にならない叫び。ただ、目の前で愛する人を、貫く刃を見ているだけ。赤く染っていく世界で、飛び起きる日が続いた。すぐに遠見で無事を確認して、安堵していたのを覚えている。「ふとした時に、不安で苦しくなるんです。遠見で状況は把握していましたが、いつ何が起きる

    last updateآخر تحديث : 2026-03-30
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